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BBSメイル・ゲーム…プレイボード
[8]4:2009/09/28(月) 02:58:19 ID:JJHU0Dqk0
>>6-7
の続き。
急に立ち止まると、腕をつかんでいない方の手で僕の頬を思いっきり殴りつけてきた。そして、僕
の目を睨みつけながら、
「あのね、ディルク。今あなたはあたしと一緒にいるの。それがどういうことだか解る?」
「もちろんです、お……エリーカ様」
「…………」
お嬢様の目の鋭さが一向に弱まらない。これは仕方ないかと腹をくくり、また変な噂が広まるだろ
うな、と諦めながら、彼女の両手を自分の両手で包み込んで胸元に寄せて、
「申し訳ありません、エリーカ様。あなたの騎士を仰せつかったこの自分が、あなたの母親とはいえ
他の女性のことを気にかけたなど。あなたの騎士として相応しくないことでした」
自分としてできる限り低くささやくような声で、もちろん周りに聞こえないようにだが、どこかの
叙事詩で使われていたセリフを言うと、
「ま、まぁいいのよ、ほら、仕方ないじゃない。私のお母様のことだし、あんな感じだし……」
など、視線をキョロキョロさせながら先よりは硬さの取れた声でつぶやいていた。まだ何か続けて
言ったようだが途中から聞こえなくなったが、どうやら機嫌は直ったようで、一応安堵する。それか
らは、あまり強く引っ張らず歩いてくれた。歩調もさっきよりは緩やかで助かる。
そうこうしている内にお嬢様が会いたがっていた者たちの姿が見えてくる。自分はあまりいい記憶
と結びつかないが、10年前の子供の頃の記憶にある姿とはかなり違っているように思えた。お嬢様
の方は嬉しそうに目を輝かせ、声を弾ませながら言った。
「わぁ、あれがウォーフォージドって言うのね」
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