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1- レス

BBSメイル・ゲーム…プレイボード


[17]4:2009/10/10(土) 23:44:55 ID:N4DXU2n20
>>16
 フリストラル領の南端に位置する小村ペディアは、北の町ブランカへと抜ける白鬚峠に続く街道沿いにあるため、その
規模の割には人の往来が多く、いくつか宿も開かれていた。その内のひとつ『赤鱒亭』の食堂では、地元の住人が数名、
酒を片手に最近の出来事についての噂話に興じていた。マージュリーは自分の席に座り、ハーブをつま弾きながら、彼ら
の会話を聞くとはなしに聞いていた。
 彼らの話題は、行方不明となったフリストラル家の領主一行の件で、一人残されたミュティアなる娘は今後どうするの
か、この村を監督するセレベス老はどう動くのかといったもので、成人を迎えたばかりの女領主に対する不安と、それを
補佐する立場にある者に対する期待が、彼らの言葉の端々に込められていた。
(まぁ、ワタシとしては危なくなれば、道を下って行けばいいだけですけれど……)
 マージュリーはそう思いながら曲を弾き終えると、おざなりな拍手があがる。そして、誰かの近づく足音が聞こえ、何
かがそばのテーブルに置かれた音がする。
「……ほらよ」
 聞こえてきた声からするとこの宿の亭主で、置かれたのは匂いからすると麦酒の一種のようだ。
「ありがとうございます」好意に感謝して口を軽くつけて見せるが、あまり味のいいものではなかった。


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