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BBSメイル・ゲーム…プレイボード

2 ::2009/09/22(火) 00:01:30 ID:4UdTFg560
しょっぱなからなんですが、あと2つか3つの文章をUPします(もう少し後で)。
そこからリアクションの締め切りとなります。

承前その1
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 そろそろ夏も終わりという頃のある昼下がり。テルヴェルの主教座がおかれた聖ジベリ教会の一室

で、突如聖都より訪れた異端審問官を前に助祭でしかないジフト
ラオスは緊張を隠せないでいた。心の中では、この役回りを押しつけた司教補にむかって不満や嫌味

をたたきつけていたが、表面上は穏やかな雰囲気を保っていた。
「エディス殿、聖都よりこのような田舎の……」
「ああ、そのような心のこもっていない言葉で、あなたの不安を押し隠すことはない。何よりここに

いるのは1日、あるいは知りたい情報が手に入ればすぐにでも立
ち去るつもりなのだから」
 エディスと呼ばれた女性は、口早にジフトラオスの言葉を遮り、部屋に通された時の姿のまま周囲

を探るように視線を走らせる。ジフトラオスは一瞬むっときたが、
すぐにエディスのあまりにも警戒ぶりに疑念と別の種類の不安が心を揺さぶり始め、どのような言葉

をかければよいのか、そう思い悩み、知らず知らずのうちにのど
を鳴らしてしまう。

3 ::2009/09/22(火) 00:02:56 ID:4UdTFg560
>>2
の続き。

「……あのぉ」
「あなたはベヘールという言葉に聞き覚えはありますか?あるいはシャディスでも構いません」
ジフトラオスは少しばかり記憶を探った後、
「ベヘールという言葉は耳にしたことはありませんが、シャディスの方なら北の高地と取引を持つ信

徒の者から耳にしたことがあります」
「それはどのようにですか?」
「商売上、ラステロニクの貧民街にも立ち寄るそうなのですが、そこで最近よく耳にするそうで、そ

れを口にする者の様子がおかしく、時に恍惚然としていたり、あるいはしつこく探るような視線を人に向けたりして気味が悪い、と」
「ラステロニク……」ジフトラオスの話を聞くと、エディスは一言つぶやいて口に指を当て、なにや

ら考え始めた。ジフトラオスは後ろに控える側仕えの助祭見習いたちと困惑した目線をかわしながらも、彼女の思考を妨げないように黙って音を立てないようじっとしていた。
しばらくそうして時が過ぎたあと、エディスは深く息を吐き、戸惑い怯えるジフトラオスの目をまっ

すぐ見つめながら、声を落として語りかけた。
「どうやら由々しき事態が起きているようです。この街で高地に詳しい者、最近行き来した者たちか

らさらに話を聞かねばなりません」
「……一体何が起きているというのですか?」ジフトラオスは固い口調で尋ねた。
エディスは胸から下げた双斧のシンボルを握り締めながら応えた。
「新たな異端の発生です」
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